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2006年12月 Archives

2006年12月11日

Celtix Enterprise - オープンソースESB

Why opensource ? LAMPから次のオープンソースの適用について実践しなければならないときに来たのではないでしょうか?ラインセスの売り上げを生業としているソフトウェアベンダーが、従来の商用製品(ラインセス費用をいただく製品)に加えて、ラインセス費用は発生しないオープンソースの製品を発表しました。昨年からObjectWebでオープンソースによるESBとしてCeltixプロジェクトをリードしてきましたが、オープンソースのメジャーリーグのApache Foundationに移り、性能の高いといわれるSOAP/HTTPのスタックのXfireと統合して、CXFとして再出発するにあたり、SOAインフラの基盤のスィート製品として、Celtix Enterpriseを発表しました。

EclipseのSOA Tool Project(STP)は、まだ、統合されていませんが、このSTPを含めて、JPモーガンなどが提案しているAMQP(Advanced Message Queuing Protocol)を実現するApacheインキュベータのQpidを統合するなど、ユニークな品揃えを計画しています。もちろん、CORBAのスタックについてもApacheインキュベータのYokoを統合する予定でいます。このように、製品の開発と統合、検証といったプロセスもオープンソースのフィールドで効率的に実現できるようになってきており、SCA(Service Component Architecture)の標準化活動のリファレンス・インプリメンテーションが、ApacheインキュベータのTuscanyで実施されているようにオープンソースが、自然とテクノロジーをリードすることになります。

Celtix Enterpriseは、製品だけでなくサービスを含むパッケージ製品となり、SOA導入の敷居を下げることを目的としています。オープンソースではありますが、アイオナの製品としてリリースするものであり、アイオナの15年におよぶインテグレーションのサポートの経験が、オープンソースに付加されることになります。Celtix Enterpriseの発表にあたり同僚のSteve Vinoskiが書いたブログを翻訳して引用しました。ご覧ください。

Stefan Tilkov氏が、Celtix Enterpriseの発表について好感度な記事を書いています。Celtix Enterpriseの発表への反応は、この24時間に数100のダウンロードのリクエストがあるなど、今のところ非常に好調です。

ほんの少しですが、私(Steve Vinoski)の貢献としては、CXFのダイナミック・プログラミング言語のサポートにあります。もともとは、オープンソース・プロジェクトのCeltixために設計したのですが、今回はCXF に移行し、AMQP を実装するApacheのインキュベータのQpid へも移植します。

とりあえずは“ESB”という呼び方に、嫌気がさすようなことはないようにお願いします。多くの人が、ESBという言葉を嫌っているのはわかります。ほとんどのベンダーのESBは、いずれも、JMSの実装を推し進めるか、あるいは、巨大で、脆く、中央集中型なコストのかかるEAIのような怪物ですから仕方がないかもしれません。Celtix Enterpriseの場合は、適用性が高く、真に分散化されたSOAのソリューションを作り、それを、分散コンピューティングの環境へ適用していく拡張性を重んじるアイオナの血統のようなものを発揮しました。理論的には、すべてのSOA環境は、分散化されたものであるにも関わらず、実際には、多くのESBソリューションは、何も考えずに中央集中型のハブを利用することを強いています。特定のあるサイズのソリューションが、すべてのエンタープライズのソリューションには生り得ないことは、明らかであり、Celtix Enterpriseでは、Qpidによる集中型のメッセージング・ブローカーから、たとえば、CXFによるマルチプロトコルかつマルチフォーマットの快適なSOAエンドポイントまでのすべてのレンジを網羅したオプションを提供しています。

私自身としては、ESBとは、アイオナのArtixやCeltix Enterpriseであると定義してはほしくないのですが、お分かりのように私はマーケティング担当ではないので、この先、どうなるかはわかりません。しかし、われわれが提供している特徴や機能を考えると、良くも悪くも、マーケットのカテゴリの分類からESBがもっとも近いです。ただし、そのようにカテゴリに分類したしても、Celtix Enterpriseは、皆さんが手に入れることのできる通常の商用の形態のソリューションとは異なるものとなります。でも、私の言葉をそのまま利用しないでください。どうか、ご自分で確かめてください。

アイオナにとって、今は、とても“cool”な時ということだけ言っておきます。あと3週間ほどで、私は、アイオナで10年を越えることになりますが、このCeltix Enterpriseのリリースは、これまで経験した中でも、本当に、もっとも、興奮する出来事です。このことは、お客様にとっても、われわれにとっても、技術的にも、ビジネス的にも、新しい道を示していることを意味します。けれども、実際は、単に冷静に前進し続けることこそが必要になるのです。

江川

2006年12月20日

Celtixのサンプルの掲載

Celtix 1.0のサンプルのREADMEを翻訳して、20回に分けてThinkITに掲載したのですが、どれくらいの方が読まれて、どれくらい有効だったのかは、よくわかっていません。あまり、一般受けするような内容ではないし、実際にやってみないとなにもわからないわけですから…興味の範囲のターゲットとしてもミドルウェアというものが、どこまで一般的なのは、正直、よくわかりません。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が2006年10月24日に開催したIPA Forum SECコンファレンスの論文のうちの「Java開発者のオンデマンド・ラーニングを支援するソシオテクニカル環境」の中でJava1.5の標準ライブラリのクラス数は、3279クラスになるとしています。API数にすれば1万は超えるでしょう。このような複雑なプラットフォームをSOA基盤の核として使うことは、メンテナンス、リソース、バージョンの整合管理などの多くの問題を将来に残すと思います。

Celtixはエンドポイントをラッピングするというネットワークを想定したときにもっともシンプルな方法でESBを実現します。商用製品のArtixと同じ方式ということになりますが、JavaEEでも、Tomcatでも、JBIでも、Springもコンテナとして利用できるのは、今後のテクノロジーの変化や適用環境の多様性に対応できる重要な特徴です。その意味で、サーバとクライアントのエンドポイント同士を対峙させたCeltixのサンプルは、サービス提供者とサービス利用者の対応を個々に説明しており、合理的なサンプルとなっていると思います。

翻訳ものばかりではなく、実際のお客様での経験などを織り込めればいいのですが、実際には、なかなか、お客様の情報を公にできなかったりしますので、先々に有益な情報として公開できるように勤めます。しばらく、この状態でお付き合いいただければと思います。

江川

2006年12月25日

もの・こと分析とSOA

今年、富士通さんが、SOA基盤のミドルウェアとしてInterstageでESBを発表されたときに、「もの・こと分析」によるSOAの構築のコンサルテーションを提唱されていました。物事の本質を見極めるという興味深い考え方ですが、12月22日(金)に同じく富士通さんの「10年使える業務アプリケーション基盤」というセミナーがあったので、関連するかと思い参加しました。しかし、こちらは製品のバージョンの上位互換を保ったアプリケーションの移行に関する違うものでした。

もの・こと分析をよくお話しになっていたのはKDDIのCIOの繁野氏ですが、概念モデルの構築というなかなか難しいお話です。もの・こと分析を提唱されている中村善太郎氏の著書で「もの・こと分析で成功するシンプルな仕事の構想法」(日刊工業新聞社)には少し具体的な例があります。私は分かりやすかったのは、トイレットペーパーの交換に例です。

ロール紙をペーパーホルダーに入れ替えるには、ペーパーホルダを外して、古いロール紙の芯を取り除いて、新しいロール紙をペーパーホルダに取り付けます。ペーパーホルダに芯を合わせなければなりません。

monokoto1.gif

これが、もの・こと分析で、本質を考えた場合は、ペーパーホルダが、支えの部分が前後に動く形でロール紙を確保するもので、ロール紙の入れ替えは2アクションで済むことになります。


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言い換えれば物事の本質は限られた部分にあり、その本質を有効に利用することで、現実的で、著しい効果があるということを言っていると思っています。これが、SOAの考え方にも反映できます。たとえば、ヨーロッパの金融サービス会社のCredit Suisseでは、SOA1.0 とも呼ばれるCORBAによるSOA基盤を構築していますが、コングロマリットである同社のM&Aに際して、勘定系などの基幹システムを統合するためにSOAを適用しています。

イメージ的にはCORBAのバスを境に、下層に基幹DBとして変化の少ないレガシーなメインフレームを統合して配置し、上層はJ2EEなどの新しくてオープンな技術で、オンラインバンキングなどのビジネス価値を追求するような変化の大きなシステム群を時間をかけずに構築していることがわかります。

つまり、ESBを境に下層を変化の少ないもの、上層を変化の大きいものとして、下層の機能をサービス化し、上層で利用するという2層化したシステム構築とも考えられます。マルチチャネルなども同様です。下層にコンテンツがあるとサービスを介して、携帯、PC、インターネット、B2B、パートナリングなどの多様なチャネルに対応できるような構造を作ることができます。

monokoto3.gif

SOAはレイヤ化のアーキテクチャに親和性があります。ESBを境にして、レイヤを2つに分けるという発想はシステムを設計する上で共通に配慮すべきことかもしれません。

江川

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