COE(Center Of Excellence)はインド系のインテグレータなどで聞く部門の名前です。各社が出しているソフトウェア製品のノウハウを集めた部門で数千人の要員がいる場合は多いです。場所はインドのバンガロールであったりますが、グローバルな製品であればあらゆる製品に対応できる可能性を持っています。実際にはポリティカルな関係から製品を選択することもあるかと思いますが、彼らの強みは、COEを背景として、ユーザにソフトウェアベンダーの製品から独立していることを納得させられることです。
日本のインテグレータは数千人におよぶ製品担当者を擁することはできません。ある製品のスキルを身につけるために若い担当者を割り当てたとしても、その担当者のコストと本来あるべき売り上げは付いて回るわけで、担当する製品の売り上げでそれらを達成しなければなりません。そのために、インド系のインテグレータのように何でも製品に対応できるということにはなりません。
ユーザによってはCOEをもつようなインテグレータに製品選択のコンサルティングを依頼することがあるようです。純粋に製品を比較検討するというモチベーションから出てくる依頼であると思いますが、実際の製品選択は製品そのものの比較だけで決められるわけではなく、SIerを選択して、SIerが扱う製品をそのまま導入してしまうというのが、傾向として目立つのではないかと思います。
資本主義の行く末として仕方がないかと思いますが、各業界では大規模は統合が行われています。ソフトウェア、特に、ミドルウェアを提供するベンダーの数も大幅に減っており、製品の選択の意味自体が変わってきてしまうのではないかと危惧します。
イノベーションは、結果として「小」が「大」を食うことで象徴的に扱われてきましたが、今は、「小」が「大」を食う前に「巨大」に食われてしまうことが当たり前になりました。このことが、イノベーションを生むために良い方向になるのか、あるいは、そうではないのか、意見は分かれると思いますが、本質的には豊かな社会は多様な社会であるので淘汰によって選択肢が減ることは、豊かな社会へは向かっていないことになると思います。
そのような中でCOEのような存在は重要な意味をもつものではないしょうか。
